小・中学校の複数担任制について
保護者からの相談をきっかけに、市内44校に広がる複数担任制について、現場の懸念の声と「教育の主語は児童生徒」という立場から、市教委の見解が論点。
背景
なぜこの質問をしたのかある保護者から「子供が通う小学校で複数担任制が導入され、子供が困惑している」との相談を受けたことがきっかけです。複数担任制(チーム担任制)は学級担任のみが学級運営を行うのではなく、複数の教員が関わるシステムで、近年、児童生徒の多様化や教職員の課題の複雑化を背景に全国的に導入が進んでいます。
「未来の学校づくり」の柱として「児童生徒の多様性への対応」の観点から導入を推進。令和7年12月時点で試行を含めて広範に展開している。
宮崎市内 複数担任制 採用校数(令和7年12月時点)
質問の核心
何を市に聞いたのか複数担任制の制度内容と目的、これまでの経緯と現在の取組状況を確認したうえで、児童・保護者・教員から寄せられている懸念を整理しました。
現場から寄せられている懸念
- どの担任に相談すればいいか不明確
- トラブル発生時の対応の責任所在が曖昧
- 支援情報の伝達が複数教員間で必要となり業務増・伝達漏れにつながる
- 自分のクラスという意識が弱まり教員のモチベーションに影響
- 複数クラスの生徒の名前を覚えるのが大変
教育制度の主語は常に児童生徒であるべき。教員の働き方改革も重要だが、児童生徒の質の高い教育を保障するための手段であり、手段が目的化しては本末転倒。市教委の見解を質した。
市の答弁
数字・部長名・約束した内容「複数担任制は、学級担任に加え、音楽や理科などの専科教員や教務主任などが一つのチームとなって指導に当たる形態、担任とは別に他の教職員が給食時間や帰りの会など特定の時間だけサポートする形態、ローテーションで担当する形態など多様。目的は教育の質の向上と教員の負担軽減。」
導入校アンケートの声
| 立場 | 肯定的な声 | 懸念の声 |
|---|---|---|
| 児童生徒 | たくさんの先生が自分を知ってくれてうれしい/担任以外にも相談しやすい/いろいろな先生が見てくれて安心 | 誰に相談してよいか分からない/これまでの担任制のほうがよい |
| 教職員 | 若手とベテランが連携しながら指導でき互いに成長できる/一人で抱えていた担任業務を分担できる | 責任所在の曖昧さ/業務伝達のコスト増 |
一律のガイドラインは「児童生徒の発達段階や職員構成によって多様な実施形態が考えられるため、一律の基準を設けることは難しい」一方、「課題項目やアンケートを参考にし、好事例の紹介、対応例、留意事項を整理して校長会等で示してまいりたい」と答弁。「手段が目的化することは避けるべき」という認識は教育委員会としても共有していることが確認された。
市民にとっての意味
この議論の論点と今後宮崎市内 44 校で広がる複数担任制は、教員の負担分散と児童生徒へのきめ細かな対応を両立し得る選択肢です。一方で、相談窓口の不明確さや責任の所在、教員の業務増・モチベーションといった懸念があり、現場ごとの丁寧な運用が求められます。
「教育制度の主語は児童生徒」のもと、働き方改革のしわ寄せが児童生徒に向かわない設計、保護者にも分かる相談窓口、子どもや保護者の声を継続的に拾い上げるアンケート運用が重要。
- 市教委は一律基準ではなく好事例・対応例・留意事項の共有方針を示した
- 相談窓口の明確化(学級担任の中で誰が主担当か)が現場の最重要課題
- 導入校アンケートで肯定・懸念双方の声を継続的に拾う仕組みが必要
- 保護者にも見える形でチーム編成と相談先を伝えることが信頼の前提