暮らしの困りごとへの対応について
吉富町の「社会保障のトリセツ」(139本の制度を逆引きできるしくみ)の宮崎市導入と、現行案内導線(HP階層検索/総合案内/コールセンター/AIチャットボット)の実態が論点。
背景
なぜこの質問をしたのか社会保障制度を全て理解できている市民は多くありません。制度が必要となるタイミングは突然の出来事がきっかけで、事前に知識を得る時間もないまま困りごとに直面することが多くあります。市民の方から相談を受けるたびに、その都度学び知識を蓄積している現状です。
社会保障のトリセツ(吉富町モデル)との出会い
金丸議員自身、福岡大学で研修を受けた際に「社会保障のトリセツ」という本に出会いました。複雑な社会保障制度を逆引き的に検索できる仕組みで、福岡県吉富町が令和7年12月1日から導入したばかりでした。
「お金がない・困っている」→「生活費の援助」→「家賃の支援を受けながら生活を立て直したい」と進むと、住居確保給付金や自立相談支援にたどり着ける構成。市民の状況から制度名を引ける設計。
質問の核心
何を市に聞いたのか宮崎市の現状で、市の情報発信が市民にきちんと届いているか、利用できない市民がいる現状を市が把握しているかを質しました。実演しながら現状の検索機能の限界を指摘しました。
実演:宮崎市の現行検索で「お金がない」と入力すると
| 経路 | 入力ワード | 結果 |
|---|---|---|
| 市ホームページ | お金がない | 複数の検索結果が出るが、住居確保給付金にたどり着くには市民側の知識が必要 |
| AIチャットボット | お金がない | 無関係な「無職の証明書」が返る |
| AIチャットボット | 家賃 | 「内容が認識できず質問にうまく回答できません」 |
社会保障のトリセツのように市民が制度や担当課を逆引きで検索できるフローチャート型の案内の仕組みを宮崎市にも導入できないか。
市の答弁
数字・部長名・約束した内容「市広報やホームページ、SNSなど複数の媒体を活用して情報発信に努めている一方、各部局が実施する支援制度の種類は多岐にわたるとともに、対象者も制度ごとに異なるため、市民や事業者が必要とする情報にたどり着きにくい状況も生じている。」
現行の市民への案内導線
- ホームページ:担当部局・キーワード検索+地域活動・子育て・教育のカテゴリー分け(階層型)
- 本庁舎1階:総合案内で来庁者対応
- 電話:コールセンターで相談内容を聞き取って担当課を案内
「市民の皆様が抱える課題や相談内容に対して、どの窓口でどのような支援が受けられるかを知るための有効な取組の一つとして認識した」「このような取組も参考にしながら、引き続き市民の皆様が必要な情報に確実にたどり着けるよう、分かりやすく適切な市政状況の発信に努めてまいりたい」と前向きな答弁。
市民にとっての意味
この議論の論点と今後行政手続きや相談で「たらい回し」される経験は、市役所への信頼を大きく損ないます。情報の量は十分にあっても、市民が困っているとき自分の状況から制度を逆引きできる仕組みがあるかどうかは、行政の使いやすさを左右する根本的な問いです。
吉富町の社会保障のトリセツ(令和7年12月導入)のような市民目線のフローチャートを参考にしつつ、宮崎市が進める「行かない窓口」の取組と接続することで、市民の暮らしの安心が一段上がる。
- 現状のAIチャットボットは「お金がない」「家賃」レベルの基本ワードに対応できない
- 当面はフローチャート型の人手による導線整備が現実的
- 入口は1つでも、出口(制度・窓口)にきちんと連れていく設計が必要
- 市が「有効な取組として認識」と前向き答弁したため継続フォローが鍵