令和7年第6回定例会2025年12月10日 登壇登壇済

宮崎市フェニックス自然動物園について

動物園子育て観光・娯楽

県内唯一の動物園であるフェニックス自然動物園。市が96%を出資し、年1.3億円の指定管理料を投じる市の財産です。料金体系・40万人入園者数目標・戦略マスタープランの必要性まで含めた、施設運営の在り方が論点。

01

背景

なぜこの質問をしたのか

子育て世代から「休日に家族で安心して遊べる場所がもっと欲しい」「水族館が欲しい」という声を多く頂いてきました。フェニックス自然動物園は県内唯一の動物園として、動物展示のほか遊園地・プールも有する宮崎市を代表する娯楽・観光施設で、市民に長年親しまれてきました。

動物園が担う 4 つの役割

種の保存 / 教育・環境教育 / 調査研究 / レクリエーション 公益社団法人日本動物園水族館協会の繁殖計画、大学への研究協力なども担う。

2001 年・経営破綻 → 市が買取り

平成13年(2001年)、前身のフェニックス自然動物園が経営会社の破綻により閉園の危機を迎えました。市民アンケートで約9割が動物園の存続を望み、約8割が市の買取・関与に理解を示したことから、市が買取りを行い、同年9月に「宮崎市フェニックス自然動物園管理株式会社」を新設し、運営委託を開始しました。

市民アンケート(買取り判断時)と現在の出資比率

約 9
動物園の存続を希望
市民アンケート(2001年)
約 8
市による買取・関与に理解
同上
96
宮崎市 出資比率
宮銀 4%・全国的にも珍しい形態
02

質問の核心

何を市に聞いたのか

まず宮崎市はフェニックス自然動物園をどのような施設と捉えているのか、抽象的な部分から問い直しました。指定管理者制度(非公募)の経緯、倒産時の責任主体、令和6年度の運営状況、指定管理料の算定根拠、利用料金見直し、損益分岐点・公費負担上限の有無、戦略マスタープランの必要性まで順次質しました。

  1. 本市は動物園をどのような施設と捉えているのか(市長)
  2. 指定管理者選定が「非公募」である根拠(基本方針との整合)
  3. 指定管理者が倒産した場合、動物の保護・施設管理・雇用・債務の責任主体は誰か
  4. 令和6年度の入園者数・収支状況・課題
  5. 指定管理料約1億3,000万円の算定方法と内訳
  6. 過去5年間の指定管理料・修繕等の累計支出
  7. 入園者数40万人目標が達成されたとき、市の財政負担がどう改善するのか具体的に
  8. 利用料金(大人840円・平成13年から据え置き)の今後の見直し時期
  9. 損益分岐点の試算・公費負担上限を設定する考えはあるか
  10. 熊本市動植物園のような財政指標を含むマスタープラン策定の要否
金丸議員の問題提起

年間約2億円の公費が投じられ、市が96%を出資する施設にもかかわらず、財政指標を含む戦略計画がない。「何のための来園者増なのか、市民にどんな利益をもたらすのか」その説明が果たされていないのではないか。市が経営の旗を振るべき。

03

市の答弁

数字・部長名・約束した内容
県内唯一の動物園として、動物展示のほか遊園地やプールも有する本市を代表する娯楽・観光施設。種の保存・教育・環境教育・調査研究・レクリエーションという4つの役割を担う。一方で老朽化が著しく、市の財政負担を考慮したリニューアルが必要、また娯楽観光施設でもあるから民間視点での創意工夫も必要な施設。
清山知憲 市長 答弁

令和6年度 運営実績(小嶋啓太 都市整備部長 答弁)

32万人
入園者数(R6)
R5 が過去最高だが R6 は売上で上回る
5.8億円
売上(R6)
5.74億円
運営経費(R6)
1.3億円
指定管理料(R6)
市が支出する公費
8.8億円
過去 5 年累計支出
指定管理料+修繕等
40万人
入園者数の目標
第六次宮崎市総合計画

指定管理料 約1億3,000万円の構造(運営経費 − 利用料金収入)

区分金額(R6)備考
人件費約 2.2 億円指定管理業務に必要な部分
物件費約 1.4 億円光熱水費・餌代・保守点検等
その他経費約 0.3 億円運営に必要なその他費用
指定管理業務 必要経費(A)3.9 億円小計
利用料金収入(B)2.6 億円入園料・駐車場・遊戯施設
指定管理料(A − B)1.3 億円市が支出する公費

料金体系(平成13年から据え置き/令和9年度中に見直し予定)

※ 過去実績では利用者の約1/3が無料で入園
区分料金
大人840 円
中学生420 円
小学生310 円
未就学児無料
財政・戦略についての答弁

清山市長:「指定管理者は民間の形を取った会社、熊本市は直営なのでガチガチの財政指標を立てやすい。我々が一概に立てることが、職員のエンゲージメントや総合的な状況を考慮するとプラスかは別物」と慎重姿勢。 小嶋部長:「公共施設として損益分岐点を設定することは考えていない」「公費負担の上限は定めていない」「施設評価は3〜4年に1回の周期で実施」。

04

市民にとっての意味

この議論の論点と今後

フェニックス自然動物園は単なる娯楽施設ではなく、子どもの教育・地域の誇り・観光資源を兼ねる「市の財産」です。年間約2億円の公費が投じられ、市が96%を出資する事実上の市の関連会社が運営しています。仮に倒産すれば、動物の保護や施設管理は市が引き取る構造です。

受益者負担の構造

利用料金収入が増えるほど指定管理料(公費)の増加を抑えられる構造。入園者数が32万人 → 40万人 → 60万人と増えれば、利用料金収入も2.6億円 → 約3.3億円 → 約5.0億円と伸び、市の負担軽減または管理会社の処遇改善に回せる原資が生まれる。

  • 論点は「いくら投じるか」より「何のために投じ、何が改善したかを市民に説明できるか」
  • 40万人目標だけでなく、財政負担の見通しや戦略の見える化が市の責任
  • 料金は平成13年(2001年)から据え置きで、令和9年度中に見直し予定
  • 市が「経営の旗を振る」ことが、結果として管理会社の現場負担も軽減し市の財政も助ける